パルスオキシメーター

指に挟んで、血中の酸素濃度を調べる測定器ですね。

うちの病院では昔から患者さんの体温や血圧などの測定の際に一緒に使用し測定しています。

コロナが流行してからはメジャーな測定器になりましたが、昔は一般的に馴染みのないものだったので患者さんにはよく「なんですかこれ?」と聞かれたもんです。家庭用酸素を使用する人は持っていたりしました。

パルス(PALS)→脈拍

オキシ(OXYGEN)→酸素

挟んだ指に流れている血液中に含まれている酸素のパーセントをセンサーで読み取って、ついでに脈拍も測っています。

これで何がわかるの?

血中の酸素濃度を知ることで、この人の身体に酸素が足りている状態か調べます。

血中の酸素濃度 → 血液の中にある酸素の量ですね。

ヘモグロビンと結合する酸素のイラスト

機械のモニターにはSpO2と表示され、正常値は95〜99%と言われています。

血液中の酸素の量が少ないとどうなの?

酸素を必要としている臓器などに酸素をあげられなくなります。特に必要としているところは脳と言われています。なので、SpO2が下がっている状態が長いと脳にダメージを来す恐れがあります。コロナに感染すると高熱が出て酸素を消費しやすいし、肺炎にまで至ると酸素を取り込んでいる肺が炎症しているわけですから、うまく酸素を体内に取り込めなくなる。医療者としては要チェックしたいところです。それでHER-SYSにSpO2の数値を入れる箇所があります。

息切れをしているお爺さんのイラスト

SpO2が低下すると自覚する症状としては息苦しいです。

廊下を走る生徒のイラスト

みなさんも走ったあとに「はぁ、はぁ」と息苦しくなり、呼吸が荒くなり、胸がドキドキしたことはありませんか?それは走る運動したことによって血中の酸素を消費した状態で、脳がやべー酸素が減ったぞ「沢山呼吸しろー」と命令して「はぁ、はぁ」「沢山酸素を運べー」ドキドキです。ドキドキ=心拍数の上昇→脈拍の上昇です。

これが走ってもいないのに「はぁ、はぁ」ドキドキがあるのは何らかの体内のトラブルが起きている。このような症状があるけど実際体内の酸素の量はどれくらいだ?どれくらいの時間こんな状態なんだ?色々考えなければいけないことはあります。なにか心配なことがあれば迷わず保健所やかかりつけの病院に相談しましょう。

脳のイラスト

長時間のSpO2の低下はやはり脳へのダメージが心配なので、酸素の吸入が必要になります。酸素吸入の対応は医療機関でしかできません。

鼻腔カニューレのイラスト(女性)

こういうご時世ですので、一家に一台、体温計を常備するようにパルスオキシメーターはもはや必需品といっても過言ではないと思います。ウチも1台持っていたので観察や報告がスムーズだったように思います。

自分としては、これまで仕事で使ってきて、特に機種によって大きな違いは無いように思います。指に挟むと自動で電源が付き、外すと自動で消えるとか、PI値(指先の血液の流れ具合)が観れるとかくらいと便利機能がついている違いで、測定値の差は感じません。高額な機械を買う必要はなく、体温計を買う感覚で良いと思います。乾電池で使えますし色々ネットで探してみてください。

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